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仙台市指定無形民俗文化財 馬場愛宕神社神楽

   

愛宕神社神楽 

1976年刊 『秋保町史』より (かな使い等は原文のまま)

(一)由来

 田植踊と並ぶ馬場駅部落の代表的な民俗芸能として愛宕様の御神楽がある。
宮城郡小泉村の藩士大滝喜太夫の次男が国分寺院主人寛鏡和上人の下で修行を積んで、
慶応三年(一八六七)二十五歳の時当部落の西光寺第十五世の佐職に就任し、智俊と称した。
その頃寺では、石田道純・橘川良鉄という師匠が村民に学問を教えていたが、
智俊和尚はこの両人から御神楽を習い、更にこれを部落の若者達に伝習した。
以後毎年旧六月二十四日の鎮守愛宕権現の祭礼を川して、境内で奉納される習わしとなった。 
当日は各家から家督が出て、長床で支度を整えたあと神前にかけた舞台の上で十二幕の神楽を演じた。
夕方から始まり、全部舞終るのは夜の十時半頃であった。
 これも戦時中の三十年ばかりの間中断されていたが、昭和二十五年に若者達の手で復興され、
後祭として獅子舞が各戸を厄払の舞をしながら巡回するようになった。
更に昭和四十三年二月に至り後継者を養成して保護育成を図るという趣旨の下に練習を重ね、
完全な形で復興されるようになった。


(二)神楽の種類
(古老より聴取せるもの)

  (一)弊東の舞  
    開始に当り舞台の上を弊束で清め、
最後まで恙なく進行するようにという願いをこめて舞われる。
 
 (二)一本剣の舞

  (三)二本剣の舞 

  (四)三本剣の舞 
    刀を持って前進・右廻・左廻の順に舞台の上を回り、
終ると弊束で刀を祓う。
 
 (五)種子蒔の舞
    農民が畑をうなって種を播いていると、
何処からとなく鬼子が現われて仕事の妨害をするので、
これと相撲をして打ちまかす。

  (六)鯛釣りの鍄
    鳥帽子をかぶった漁師が釣をしているところへ
鯛に紛した踊り子が出てきて、これにかかる。

 (七)巫女舞い
    三人の巫女が手に手に扇と釣竿を持って
右廻・前進・左廻の順に舞台を廻る。

 (八)獅子舞

   (九)しょうき舞
    しょうき様が踊っていると鬼子が現われ、
踊りの真似をし乍ら後について廻るので、
これを鎗で剌殺す。

 (十)弓の舞
    弓を持って舞う。
 
(十一)タヘヤロの舞
    鎧に身を固め鉢巻をしめた六人の武将が舞う。


  ○踊りの構成
   
 踊手 十五人。 大太鼓 一。
小太鼓  二。 笛   二。
    これらは殆んどが世襲であった。 

  「馬場郷土芸能記」 中野甚吉翁談話 に拠る。



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(一般財団法人)秋保教育文化振興会    

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