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  秋保の田植踊とは 

 重要無形民俗文化財「秋保の田植踊」は宮城県仙台市太白区秋保町の馬場地区、長袋地区、湯元地区にそれぞれに伝わる3つの田植踊の総称です。

 田植踊は小正月、旧暦1月15日にその年の豊作を祈願(予祝)して行われる踊りで、きらびやかな衣装をまとった「早乙女」が田植えを摸した踊りをはじめ様々な舞踊を行います。こうした小正月に行われる予祝の田植踊は東北地方で広く見られますが、秋保の田植踊は「弥十郎(やんじゆうろう)」系の田植踊に分類されます。「弥十郎」という道化役が最初に踊り、前口上として演目の説明を行います。弥十郎には「鈴振(すずふり)」という雛子役が後に続きます。
 秋保に伝わる田植踊は田植えの所作が高度に様式化しており、洗練された田植踊として知られています。一方で、歌詞が完全な五七音になっていないなど、近世調よりも古い面も散見され、古い要素と新しい要素が結びついた芸能となっています。
 踊りの花形「早乙女」は8人くらいで務めます。他の地域には「早乙女」を男性が務める田植踊が多くありますが、仙台地域の田植踊は以前より女性が務めていました。かつては、20代くらいまでの女性でしたが、現在は小学生の女子が中心に伝承しています。「早乙女」は揃いの振袖に手差、脚絆、自足袋の装束で、花笠をかぶります。囃子は、笛と小太鼓、大太鼓と唄からなっています。
 以前の田植踊では、「早乙女」の踊りの合間に、狂言や手踊りなどの余興も行われており、余興を行う人たちを「岡囃子」といいました。「岡囃子」は「早乙女」や「弥十郎」役を卒業した男女が努め、総勢数十人からなる人たちによって田植踊1回の上演が2時間以上かかるものでした。
 田植踊はもともと、小正月に集落同士で招待し合う芸能でした。秋保地区では、馬場、長袋、湯元の他、境野、野中、並木、加沢などでも行っていました。また、秋保町周辺でも新川、下倉、愛子、本砂金で伝えており、多くの集落が互いに招待し合っていました。上演に際しては、踊りの中程で呼んだ側から「ほめことば」がかけられ、呼ばれた側から返礼として「返しことば」の口上が述べられます。口上に続き舞われる手踊りとともに、田植踊の見せ場になってしいます。
 
  秋保の田植踊は、こうした特徴からユネスコにより人類の代表的な文化であることが認定され、2009年9月30日に「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表」に登録されました。



 Akiu no Taue Odori
 Important intangible folk cultural property "Akiu no Taue Odori" is a generic name of three Taue Odori handed down to the Baba district, the Nagafukuro district, and Yumoto district in the Sendai City Taihaku district Akiu-cho respectively. Taue Odori is a dance done praying for the good harvest of the age on January 15 of the moon calendar that is called Kosyogatsu The girls who wear gorgeous clothes do a lot of magnificent dance besides the dance to imitate planting rice. Moreover, the entertainment of the Kyogen and Teodori was done at intervals of girl's dancer.
It was recognized that it was human race's typical culture from such a feature by UNESCO, and was recognized Akiu no Taue Odori in "The Representative List of Intangible Cultural Heritage of Humanity" on September 30.2009.


「秋保の田植踊」指定履歴

・昭和35年 馬場・長袋・湯元の3地区の田植踊が「秋保の田植踊」として宮城県無形文化財指定
・昭和45年 県無形文化財が、各地区ごとの指定に変更
・昭和45年「馬場の田植踊」は記録作成等の措置を講ずべき民俗文化財として選択
・昭和51年 3地区の田植踊があわせて「秋保の田植踊」として国の重要無形民俗文化財指定
・平成21年 ユネスコ無形文化遺産代表一覧表へ記載決定
・平成28年度日本遺産「政宗が育んだ伊達な文化」構成要素として認定


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【秋保の田植踊】の表記について
ユネスコの登録、国の指定等は、固有名詞として『秋保の田植踊』『馬場の田植踊』『長袋(ながふくろ)の田植踊』『湯元の田植踊』と表記します。「○○の」と「の」が入り、踊りの「り」は入りません。 また、それぞれの保存会の組織は「馬場田植踊保存会」「長袋田植踊保存会」「湯元田植踊保存会」という名称です。ここには「の」の文字は入りません。


引用文献
宮城県教育庁文化財保護課作成
『ユネスコ無形文化遺産 秋保の田植踊』
文化庁「地域文化芸術振興プラン」
問い合わせ先
仙台市教育委員会文化財課


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(一般財団法人)秋保教育文化振興会